しゃちょー

この世界はどうやら自分次第らしいです

ハジマリ

 

 

 

20:15

 


一台の車がハザードをたいて

僕の数十メートル先に泊まった

 


ヒッチハイク時間約45分経った時だった

 


ポイントについて

まずどこに行こう?

そこから思うままに

とりあえず、京都

と決めた僕は

紙に京都方面と書いた

 


家にペンが置いてなかったから

弟の部屋からマジックを貪り

細いペンで何度もなぞり書きした

 

 

 

その時

雨が少しぱらついてきた

そこで初めて僕は今まで雨が降ってなかったんだな

みたいなことを思った

 


夢中だった

僕は夢中になれていた

 


忘れかけていたこの感覚

小学校の少年野球以来の感覚をぼくは

後になって感じることができた

 

 

 

 


トイレに行こうと思い

そこには40代50代くらいだろうか?

男の人が1人いた

 


もしかしたら?

と思い声をかける

 


すみません

どちらの方ですか?

 


そう声をかけると

男性は京都ですよ

と答えてくれた

 


え?京都?

と思い

迷わず

もしよろしければと僕は続けた

 


が、

男性は

丁重に断った

何となく

京都ですよ

のニュアンスから感じ取れたが

まあ、そんな上手くいく話があるわけない

などと思った

 


それから

出入りの多い付近で

ボードを掲げた

 


その間も

ここだと見えるかな?

この字見えるかな?

この人達は今からどこに向かうんだろう?

いろんなことを考えた

 


案の定

数分で数百代に無視される

無視という表現は

合っているのかは分からないが。

 

 

 

そして

一台の車が止まった。

 


あの瞬間は

二度と忘れないだろう

 


その方に話を聞くと

 


ちょうど暇だったから!

さっき見かけたんだけど

折り返してきて探したら

さっきの場所に居なくて。

見つけた!と思って止まったよ。

で、

どこにいくの?

 


そう言ってくれた

 


ぼくは

とりあえず京都までいいですか?

行き先は決まってないので

どこまででもいいです。

 


よし、

乗ってけ。

 


こうしてぼくは

人生初のヒッチハイクを

数分前に体験した。

 


そしてここに書きとめる

 


紛れも無い

確実な小さな一歩を踏み出せた

自分で決め

行動した

 


そしたら

上手くいった

 


ぼくの今まで考えてた

できない理由探しを

ここで止める

この体験を身をもって証明する

 


大したことでは無い

がしかし、

僕には大きな一歩だ

 

 

 

それから

道中たくさんの話をした

 


その方も同じ地元で

串カツ屋を経営されている方だった

 


話が弾み

僕の兄と繋がり

もしかして〇〇君?

 


まさにその通り

 


世間は狭い

 


そして

力を貸してくれる人がいる

手を差し伸べてくれる人がいる

声に出せば

表に出れば

数百人に響かなくても

たった1人に響けば

ヒッチハイクは成功する

 


ぼくはこれから

無視されても1人に届ける事を大切にしたい

自分を大切にしてくれる人を

大切にしたい

 


その為に

もっと経験を積む

 


その気になれば

自由になれるんだって経験できた

 


不自由を強いられてるが為に

疑心暗鬼に陥っていた自分を

少し突破できた

 

 

 

今日の行き先はまだ決まってない

寝るとこも何も

 


そんなことを思いながら

 


30分くらい歩いただろうか?

 


大きな駅が見えてきた

 

 

 

旅は

 


始まったばかり