早く大人になりたかった
20歳に早くなりたかった
歳をとりたかった
若いって馬鹿にされるのが悔しかった
子供扱いが嫌いだった
意見を言ったところで
耳も貸さない
だから
早く大人になりたかった
お金も借りられるし
出来ることが格段に増える
でも
同時に
責任が全て自分の身に降りかかる事もあるということ
今までは
親が
周りが
自分の見えないところで
誰かが
抱えてくれていた部分もある
それが
なぜか
気に入らなくて
誰かの支配下にあるのが
何故か居心地が悪くて
早くなんでも自分でできるようになりたくて
でも年齢が邪魔をする
仕方のない事で
どうしようもできない事ってわかってても
誰にも
どうにも出来ない
そして
やっと20歳を過ぎた
自分の思い通りにできる
何でも自分でできるようになった
と思ってた
それは
自分で
思ってただけだった
現実は
そうでもなかった
自分でできることなんて
ほんの少しのことだけで
人間一人で出来ることなんてこれっぽっち
たかがしれてる
昔、親にそう言われたことの意味が
なんとなくそこで分かった
親は自営をやっている分
人を仕うことの経験をしているからこそそういったんだと思う
小学生の時に見えた
20歳は
もっと大人を感じた
実際自分がそうなると
今の自分の振る舞いが
小学生には大人に見えるのかな
でも
根本的には変わらなくて
早く20歳になりたかったあの頃
周りが
親が
顔も名前も知らない誰かが
無条件に助けてくれる
それは20歳になった今も同じ
変わらない
遊んでいる時
仕事している時
寝ている時
お風呂
ご飯中
どんな時でも
世界を見渡せば
誰かが
助けてくれているから
その人達にとっては
それが
仕事だから
かも知れないが
こうして
当たり前のように生活ができている
そこは今も昔もずっと変わらない
いつもそこには人がいる
自分でなんでも出来ると思ってた
20歳になれば解放される
それは表面的な幻想でしかなかった
気づいたのは
今日も今この瞬間も
世界は動いている
人間の手によって作り出されたものだから
人間の手で
止まることなく動き続けている
その分時代は進歩する
段々と効率を上げる
より正確に
より楽に
便利を求めて
技術も進歩する
これからの時代
人工知能に左右される
職も生活も
人工知能を持った媒体が大半を占めてくる
その方が
より早く
より正確で
より楽だから
時代は変わる
でも、昔からある
今も変わらないものもある
そしてこれからもそれは変わらない
お金も
稼ぎ方も
10年後にはどんなだろうか
常識なんてすぐに変わる
形なく目に見えないほどに
どんな時代になったとしても
変わらないものがある
そして
そこには
いつも人がいる